猿の気まぐれ日記

こんにちは!このブログでは、ボイトレの知識やカウンセリング の知識や知恵、本の感想などを気まぐれで綴ります。

瞑想の勧め

今回は、自分がやっている瞑想方法を提案していきます!

現在、瞑想というものは様々な方法、用途でやられていますが、自分が普段やっている瞑想は、主に考えないための瞑想です。

中には、瞑想をすることで頭の中の考えをまとめていく人もいると思います。それもそれでいいと思うのですが、自分はいつも考え過ぎてしまうところがあるので、どちらかというと頭の中の考えや感情をリセットするために考えない時間を確保したり、余計なことを考えない練習をしたりするためにやっています。

瞑想をする際は、主に自分は耳を使っています。(ここは人それぞれ)

瞑想のアプリを使って、自然の音や深い瞑想ができる周波数を流したり、外に出て人がいない場所や時間に座らながら環境音を聞いたりしています。外に出ながらやるときは、自分の存在を透過して、自然と一体化(自分が壁と床に同化している、自分は空気になっている、などなど)するイメージでやっています。

瞑想の効果としてはそれなりにあるのですが、無駄に地獄耳になってしまう可能性があるので注意です…

呼吸法を覚えて、呼吸に集中してする瞑想が一番安全で効果的かもしれません。

これをやっていると、両目の間のおでこの部分がジンジンしてくる時があります。これは脳が活性化されている証拠です。よく大仏の間に点がありますが、これはお坊さんの瞑想による脳の活性化を意味していると考えることもできます。実際、普段の生活の中で感じたドロドロしたストレスをなんとなく瞑想でジンジンする部分にまとめて、そこで握り潰した後に、セロトニン物質が体を駆け巡るイメージをすると、自分が感じている負の感情をスルーしやすくなる気がします。

普段ストレスに支配されていると感じる人がいたら、両目の間のおでこの部分がジンジンするのを感じるまで瞑想や呼吸法を練習してみて、そこでストレスを握り潰すイメージを覚えたら、負の感情に支配されることが少なくなるかもしれません!!

 

音楽の効能

世の中には、様々な音楽で溢れています。

(軽やかなポジティブソング、ゆったり平和LOVEソング、憎しみ苦しみ代弁ソング、などなど)

その全てが、聴く人の心を癒すのに役に立っています。その理由を説明していきます。

まず、目覚めの良い朝をむかえたい時や、やる気を出したい時は、交感神経を高めたいですよね。そんな時は、軽やかなポジティブソングを聴いて、ドーパミンを高め、交感神経も高めていきましょう。

穏やかな眠りにつきたい人、また不眠症に悩んでいる人は、闘争逃走本能を落ち着かせ、ノルアドレナリン・アドレナリンの分泌を減少させるために、寝る前にゆったり平和LOVEソングを聴くと良いでしょう。

また、何か苦しいことや、許せないことがある時は、涙を流したり、弱音を吐いたりすることで、セロトニンが分泌され、不安、緊張、憎しみ、苦しみが浄化される「カタルシス効果」が最適です。

失恋した時や、許せないこと、不安なことがある時は、自分の気持ちを代弁してくれる憎しみ苦しみ代弁ソングを聴いて、落ち着きましょう。

 


音楽は、「魂の薬」とも言われています。古代ペルシャでは、リュートの音で万病を治したと言われており、また音楽は、悪霊払いにも効果があると言われています。(悪霊払いは実質カウンセリングです、猿の読書日記のSOSの猿の記事を参照してみてください。

神経伝達物質

この章では、使いこなすことができれば人生の成功やストレスからの解放を実現できる、神経伝達物質について話していきます。

 

まず、神経伝達物質には3大ストレスホルモンと3大幸福物質というものがあります。

 

3大ストレスホルモンが「ノルアドレナリン」「アドレナリン」「コルチゾール」、3大幸福物質が「ドーパミン」「エンドルフィン」「セロトニン」です。

 

3大幸福物質においてホット、興奮・エキサイティングというような感情を生み出すのが「ドーパミン」「エンドルフィン」

 

クールな癒しの物質が

セロトニン

です。

 

ノルアドレナリン」などのストレスホルモンは、取り組み方、姿勢、考え方、ちょっとした受け止め方、目標設定(頭の中の回路切り替え)を変えるだけで、「ドーパミン」に変換することができます。「苦しい」脳内物質から「楽しい」快楽物質に変えることができるのです。好きなことをしている時に、ワクワクするのは「ドーパミン」が分泌されているからで、目の前の課題を工夫や努力で楽しむことができるようになれば、苦しくて嫌いだったものが、気づいたら夢中になっていたというのは「ノルアドレナリン」から「ドーパミン」の転換が起きたということです。

 

脳科学社の茂木健一郎さんは、苦手なものが得意分野になり、褒められたり楽しくできるようになったりするという成功体験を積めば積むほど、そこで起こる快感がクセになり、ドーパミンによる強化サイクルが回り始めれば、脳の強化回路が完成して、「自発性」やモチベーションが保たれると言っています。

 

また、優勝、目標達成、激しい運動の後に得られるのが「快楽物質」とも呼ばれる「エンドルフィン」です。これは、ドーパミンの約20倍の幸福感をもたらします。またこの物質は「誰かのため」物質ということもでき、誰かのためという感情から発せられることが多いです。

しかし、反動を踏まえることも大事です。人は誰かのためにしたことが果たせなくなったときや、恩を仇で返された時にとてもストレスが溜まるのは、濃度の高い幸福物質である「エンドルフィン」が「ノルアドレナリン」というストレスホルモンに転換してしまったからだとも言えます。健全なエンドルフィンの満たし方を考えることも大事でしょう。例えば「本を出す、解説動画を出す、自己満足で娯楽提供をする、コミュニティをつくって入ってくる人を出迎える、育成ゲーム感覚で変わって欲しい相手に干渉する、ボランティアに参加する、募金する」

 

などが挙げられるでしょう。「自分のため」がベースとして必要になってくるのではないでしょうか。ドライな言い方になってしまうかもしれませんが、利他性は利己性からきます。

 

セロトニンの分泌量に関しては、坐禅、瞑想、読経、呼吸法(こちらは後の方法論の章で説明)、適度なリズム運動、太陽を浴びること、バナナを食べることなどであげることができます。

セロトニンの分泌を促進するセロトニンサポーターは、呼吸法、瞑想で多くできます。

 

セロトニンを運ぶ回路が各停から特急への変身を遂げるのです。

 

セロトニンの効果としては、不安の解消、共感や直観の機能の活性化、姿勢や顔つきをシャキッとさせる、交感神経と副交感神経のバランスを整える、鎮痛効果、などが挙げられます。

 

セロトニンはまた、「vs思考、闘争逃走本能、ノルアドレナリンの分泌(戦う、喧嘩する、逃げる)」を抑えるこれをすることで、スルー能力UPができ、アメリカ人思考、イノベーション思考をつけることができます。

 

「そんなの作っても売れないよ。」からやる気ダウンのパターンが少なくなるからです。

 

また、不眠症の原因であるノルアドレナリンが抑えられるため、質の良い睡眠を取るのにも役に立ちます。

 

ノルアドレナリンが分泌することで発生する闘争逃走本能は、手段として使える場合もある。ストレスも利用できるのです。

 

闘争逃走本能(ノルアドレナリン、アドレナリン)が分泌されて精神的に追い込まれると実力以上の力を発揮できるようになり、危険な状態から一刻も早く抜け出すために、心と身体の能力を瞬時に高めることができます。これは、問題解決への最短ルートともいうことができます。日本人はセロトニンサポーターが低いことから、弱点を見つけて改良するのが得意であり、世界で一番心配性うえの弱点みつけに長けた素質です。しかし、それゆえの自殺大国ともいえます。

 

大切なのは、子供のうちから自制心トレーニング(要領の良さ)、相手の気持ち忖度ゲーム、利益選択ゲームなどをやっておき、セロトニンを分泌しやすくしておくことでしょう。

 

また、オキシトシンという愛情ホルモンと呼ばれる幸福物質もあります。

愛情が脳にとっての栄養であり、親の教育、育った環境が大事になります。

このオキシトシンは、

・心地よいタッチ(触覚刺激)

ペットを撫でるグルーミング、性行動、エステやマッサージなどのタッチセラピー

 

・おしゃべりを含むグルーミング

他には、可愛い動物やアイドルの動画を見ることなどで分泌されます。

 

 

他にも、ミラーニューロンというとても利用価値のある神経伝達物質もあります。

 

ミラーニューロンとは、自分の身近な人(主に尊敬できる人)または自分が推しているインフルエンサーから、自分の性格や仕草、行動などが影響を受けている時に分泌されるものです。

 

自分の例

 

事務能力や仕切り能力が元々低かった。

 ↓

演奏会の事務責任者などをやるにあたって、事務責任者をよく任されている人を想望した。

 ↓

よく愚痴っていたり、半分虚勢を張っているところがあった。

 ↓

 半分真似してみた(憑依)

 ↓

仕切り能力は上がり、愚痴ることでストレスを溜め込まず、またプライドを利用して、ミスを指摘されないために頑張った。

 ↓

愚痴ることや虚勢を張ることは、特段悪いことではない。

 ↓

自己開示から、愚痴り合い、ナイフのさし合いで分かり合う関係も作れる。

 

その他、虚勢を張ることが疲れた時や、愚痴るのを抑えたい時は、虚勢を張っていない人を憑依させてみると、楽になったりします。 

 

また、ミラーニューロンから、本、アニメ、漫画、ドラマ、その他インフルエンサーの重要性がわかります。 

 

インフルエンサーに自分の理想設定をすることでミラーニューロンの発達が促されるからです。

 

アイドルインフルエンサーであるあのちゃん、平手友梨奈さん、前田敦子さんなどは

アイドル像を広げ(本人は大変かも)、多様性の許容(ミラーニューロンの対象が増える)を実現したといえます。

 

ビジネスマンのミラーニューロンの対象としては、ホリエモンさんや前澤社長、youtuberではヒカルさんやはじめしゃちょーなどが挙げられ、インフルエンサーとして活躍しています。

 

また、戦隊モノの悪影響なども考えられます。相手を悪だと判断したら、5対1でもぶっ殺すのが正義という価値観が、この時点で埋め込まれている気がする時もあります。 

 

 

 

 

 

 

歌い方レッスン14(ドックブレス・スタッカート)

今回は、ドックブレスおよびスタッカートの練習の仕方の提案をしていこうと思います。

この練習では、歌い方レッスン3と歌い方レッスン10を組み合わせるので、忘れてしまった人は是非戻って読んでみてください。

スタッカート・ドックブレスをするにあたっての体の使い方、息の使い方に関しては、歌い方レッスン3・13を参考にしてください。この息の出し方でドックブレスやスタッカートの練習はするのですが、何も考えず不規則なテンポでやるよりも、リズムトレーニングも兼ねて、リズムの波に乗せながら練習をした方が身に付きやすく、この練習に飽きにくくもなります。

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歌い方レッスン10でやった、上の波の分割方法を利用して、ドックブレスやスタッカートを2連符、3連符、4連符、5連符、6連符などと変えながら練習をすると、効率的に楽しくできると思います。実際、楽しくなって自発的に7連符や8連符もやりたくなる人もいると思います!

また、歌い方レッスン2でやった自意識の飛ばし方を使って、自意識がたまらないようにしながら、テキトーにスキップ感覚でやるのが早く身につく鍵なので、この感覚を忘れないようにしてください。

歌い方レッスン13(高音の出し方・鼻腔共鳴)

まず、高音を出すにあたって、鼻腔共鳴ができるということは必須になってきます。今回はそのやり方を、順序に沿って説明していきます。

①ボイスポジションを見つける

舌をうわあごに沿って移動させると、骨の硬い部分から、プニプニしている柔らかい肉の部分に変わると思います。そこの転換点がボイスポジションになっています。また、深呼吸をしたときに(深呼吸をするときは、ミントガムを食べた後の感覚でやると良い)、涼しい息が当たるところという基準でも良いと思います。

②声帯を閉める

これをやるとき、歌い方レッスン3でやったようなため息の延長線上の感覚に加えて、声帯をあえて閉めて、振動数を多くしていきます。声帯を閉めると言っても、喉声で歌うというわけではなく、息を利用して歌うという前提のもと、どのように息を利用して歌うかということを念頭においてください。これを、単純に一言でやり方を教えると、「ハァー ハッ」です。まず、体の力を抜いてため息をします。そして、その後すぐに、息を一気に出して止めるような感覚で「ハッ」と息を吐ききります。このときに、①で説明したボイスポジションの位置に一気に息を当てるようにしてください。基本、この息の使い方で歌えるようになるといいでしょう。

③鼻腔共鳴

②の息の使い方を使って、鼻腔共鳴を習得していきます。

鼻腔共鳴で必要なのは

○呼気を上顎に沿わせて流す感覚

○オープンネイザル

の二つです。

まず、ボイスポジションに当てた呼気をうわあごに沿わせて流してみて、その感覚を覚えてください。この感覚は、簡単につかめると思います。

次は、鼻への息の通し方(オープンネイザル)の感覚を覚えます。まず、鼻の前に人差し指を置いて、口を閉じた詰まった鼻声を出してみてください。このときに、ぬるい空気が出ると思います。ぬるいのは、鼻腔の体温がうつるためです。この鼻声は鋭く、クローズネイザルと言います。次に、先ほどのボイスポジションへの息の当て方も利用して鼻声を出してみましょう。このときに、鼻から息を流すように声を出します。鼻から少し離れたところに手を出しながらこの鼻声をしてみると、涼しい空気が流れてくると思います。この鼻声をオープンネイザルと言います。

歌っているときに、うわあごに呼気が沿って流れており、このオープンネイザル状態ができていれば、鼻腔共鳴はできていると言っていいのではないでしょうか。

④中咽頭を開く(ベロを下げる、喉仏を下げる)

この状態で歌うと、息が通りやすくなります。

まず、ベロが下がっている状態が、喉仏が下がっている状態であるので、ベロの下げ方を教えていきます。

まず、歌い方レッスン3の体の使い方で教えたように、丹田に意識を集中させて身体や顔の筋肉を抜いていきます。そのときに、ベロの筋肉も丹田に意識を向けて、何秒間かかってもいいので抜いてみましょう。これがうまくいくと、口の中が涼しくなって、口の中に大きな空間ができたような感覚があると思います。このときに、鏡で口の中を見てみると、喉仏が見える状態になっているのが確認できると思います。

 


細かい音の調整や反復練習の仕方などは、他のボイストレーナーの方の動画を見ていただければ分かりますので、そちらを見てやってみてください!

ウミガメのスープ

manyluckyheart.com

↑「ウミガメのスープ」といえば、水平思考推理ゲーム。

水平思考推理ゲームといえば、「ウミガメのスープ」。

というくらい、「ウミガメのスープ」という問題は代表的です。

とある男がレストランに立ち寄り、「ウミガメのスープ」を注文した。
スープが運ばれてきて、男はスープを口にした。

次第に、男の顔は青ざめていき、
ウェイトレスに「これは、本当にウミガメのスープですか?」と尋ねた。

ウェイトレスは、間違いないと答えると、
男は、それ以上スープを口にすることなく店を後にした。

その日の夜、男は崖から身を投げてしまった。

それは、なぜ?

ヒント

原因は「ウミガメのスープ」にある?

YES

ウェイトレスは、関係ある?

NO

ウミガメのスープ」がまずかった?

NO

男の好物は「ウミガメのスープ」だった?

NO

原因は「ウミガメのスープ」の味?

YES

男は、何かを思い出した?

YES

 

A,

 

昔、男は船乗りをしていた。

とある日、船が嵐に巻き込まれ、
数人の仲間と救命ボートで無人島で漂流したことがある。

食料も無くなっていき、衰弱していく男と仲間。
やがて、1人ずつ亡くなっていった。

他の人は、生き延びるために亡くなった仲間を食べ始めるが、
男だけは、頑なに拒否をした。

それを見かねた仲間の1人が、

ウミガメのスープだから」

と偽って、男にスープを食べさせて生き延びた。

しかし、レストランで本物のウミガメのスープを食べて、
あの時に食べたものは、亡くなった仲間だったと気付いてしまった。

男は苦悩した挙句、
夜、崖から身を投げてしまった。

船乗りの男は、自分が生き延びるために、
仲間を、人を食すということ・・・それが、許せなかった。

しかし、ウミガメのスープと思い食べたものが、
実は、亡くなった仲間だったという悲劇。

もちろん、見かねてウミガメのスープと偽った仲間も、
頑なに拒む男を生かすため。

 

 

 

これは、「ウミガメのスープ」という水平思考ゲームです。今回は、これに対して自分が思ったことを話そうと思います。

 

まず、この主人公である男は、「ウミガメのスープ」だと思って飲んだものが、食べることを拒んでいた友人の死体の肉の人肉スープであったと知って、罪悪感に苛まれ死んでしまいます。例えば、King nueの白日の歌詞に「時には誰かを知らず知らずのうちに傷つけてしまったり、誰かを失ったりして初めて犯した罪を知る。」とあるように、知らず知らずに溜まっていた罪や、それからくる罪悪感というものはあると思います。

しかし、この罪悪感は本当に自殺に自分を追い込むほど感じなければいけないものなのでしょうか?

これからの文章では、罪悪感を「人肉スープ」という言葉に例えて話していこうと思います。

 

この前の猿の読者日記の「SOSの猿」で話したように、問題の原因は何かが100%悪いということはなく、自分、相手、他の第3者、環境などに振り分けられるものです。ウミガメのスープの主人公は、のちに友人の人肉スープを飲んでいたことを知り、自殺をしてしまいますが、他の仲間たちも生きるために人肉スープを飲んでおり、人肉スープを飲ました仲間も、その男に助かってほしいから人肉スープをあげたまでです。何か問題が起きた時に、自分は人肉のスープを飲んでしまったと罪悪感に苛まれるのは、人肉スープを飲んでしまっていると自覚するのは最低限大事とはいえど、あまり意味のないことであり、せっかく助けてもらった命を捨てていてはもともこうもないと自分は思います。

だったら、自分はその問題の何分の何の人肉スープを飲んでしまったと考え、逆に自覚できたことをプラスに考えて、そこから解決策を見出すことに動いた方が合理的です。

基本、他人や環境を変えるということは、相当な時間がかかり、他人に変わってくれないことを嘆くこともあまり意味のないことと思えます。(変わってくれるように自己満足でノックすることはいい。)

自分も死にたいという感情は経験したことがあるので、死にたいと思うことを否定はしきりたくないし、本当に死にたい時にはどんな綺麗事も入ってこないこともあるとは思うのですが…

 

大体物事の原因を追求すると、登場人物や第3要因が多くなるほど、自分が食べた人肉スープの割合は少なくなり、100%中1%くらいしか悪くないというマインドで、逆に1%を手っ取り早く変えれば状況が変わるのだから、とっても効率的だと考えれば、自分の行動や価値観も罪悪感に苛まれることなく簡単に変えられるのではないかと思います。

ちなみに、自分が一番ウミガメのスープの中で好きな登場人物を選ぶとするならば、主人公にウミガメのスープだと騙して人肉スープを飲ませた人です。

ある問題が起きている状況において、感情論や理屈に支配されずに、みんなが助かる手段を考えて、頑なな主人公にスープを与えたものが一番合理的で、仲間思いではないかと思います。

 

 

猿の読書日記「伊坂幸太郎・砂漠」

今回の猿の読書日記は、伊坂幸太郎の「砂漠」です。

この小説は、主に大学生の日常や、大学生になってからの性格の変化(大学デビュー)をえがきつつも、そこに少し「超能力」であったり、「詐欺グループ」であるような非日常要素をたしたような内容になっています。

紹介する小説の「砂漠」で一番自分が面白いなと思った描写は、主人公である北村の人間性の変化です。北村は、北村の親友的存在になる鳥井に、「お前どうせ鳥瞰型だろ。」みたいなことを大学の最初の飲み会で言われてしまいます。鳥瞰型とは、目の前のことしか見えない近視眼タイプと違って、全体を眺め、周囲を見下しているようなタイプの人です。しかし北村はそれから、友情や恋愛、遊びなど目の前のことに興味を持ち、そこに必死になっていきます。これは、こうなることが全員にとって正解というわけでもありませんが、いわゆる陰キャラから陽キャラの雰囲気に近づいていくようなもので、その感覚がこの小説を読んで疑似体験できるのではないかと思います。この小説ではいろいろな登場人物の掛け合いの中で、大学生が大学生活中に経験するような性格の変化や、リアルな大学生の生活面や心の中での人間模様がえがかれています。

しかしこの小説は、彼女と別れたばかりの人にはいろいろつらいかもしれません...

なぜならこの小説の登場人物たちは、みんなバリバリリア充アピールをしてくるような描写がたくさんあります。自分はちょうどふられたばかりの時にこの小説を読んでいたので、いろんな意味で撃沈しました(笑)

この小説では、人間の温かみを感じられるシーンはありつつも、最後は暗雲の立ち込めるような文章で終わっています。それは、大学生活が終わった後に待ち受ける社会の厳しさを暗示させるような文章です。大学の卒業式のシーンでこの小説はしめられますが、伊坂幸太郎さんはなぜ最後に社会をこの小説のタイトルである「砂漠」に例え、暗雲立ち込めるラストにしたのかということを考えるのもいいかもしれませんね。