猿の気まぐれ日記

こんにちは!このブログでは、ボイトレの知識やカウンセリング の知識や知恵、本の感想などを気まぐれで綴ります。

歌い方レッスン3(体の使い方)

自分が技術面で一番重要だと思うのは、体が使えているかどうかです。なぜならば、体が使えていなかったり、使い方が間違ってしまっていたりするならば、音感も拍感も体の中でとるものであるので、すべってしまうからです。今から、体を使った声の出し方を紹介していこうと思いますが、これを修得する条件として普段から姿勢を良くして生きる必要があるので、今これを読んで時に姿勢が悪い状態の人はすぐに、胸を少し張れるくらい背筋を伸ばし、その状態をキープしていきましょう。

 

体を使っている声というのは、イコール息を含んだ声です。その声の作り方を、順序立てて教えていこうと思います。

①利き手でグーを作って股関節の上あたりに当てる。

これは、自分が体を使えている状態かどうか把握するために必要なことです。股関節の上あたりを少し強くグーで押すことで、お腹が膨らんでいる感覚を実感できると思います。

②少し声の含んだため息を吐く。

落ち込んだ時に出てしまうような、ちょっと声を含んだような声を出してみてください。

声が出る時間は1秒かそれ以下だとは思うのですが、これをやっただけで①で股関節に押し当てているグーの手が、少し押し返されるのが分かると思います。

③ため息を出した時に出た声を、伸ばし続ける。

ため息をついた時に一緒に出てしまう声は、持って一秒くらいだとは思うのですが、それを伸ばし続けてみてください。この時、自分の出しやすい音域の音にうまく調節出来ると良いです。基本これから歌うときは、ため息の延長線上の声、息を吐いたら一緒に出てしまった声、というのを意識して歌ってみてください。

④その出した声の聞こえる範囲を広げていく。

この時に、声を大きくするという感覚を持ってはいけません。あくまで聞こえる範囲を広げていくという感覚です。この時に体が固まってしまうと、無駄な声が張ってしまい、範囲の狭い声になってしまうので、これをする前に柔軟体操をしたり、歌い方レッスン2で教えた、人の評価を気にしないための方法を実践したりして、どうしたら体の力が抜けるのかも同時に考えてやってみてください。範囲の広げ方としては、いきなり大きな空間に声を満たそうとは考えず、徐々に範囲を広げていくと良いと思います。まず、半径3メートルくらい、それから半径5メートル、半径10メートル、最後には、演奏会のホール全体に届くくらいになる感覚でやると良いでしょう。その時に、左右上下どこにでも広がっていけるような意識でやると良いでしょう。

⑤体のどこに力が入っているか探す

体のどこかに力が入りすぎていたら、範囲が狭い声や、作ったような声になってしまうの可能性が考えられます。なので声を出す時に、頭の先から足のつま先まで自分のことを客観的に見て、どこに力が入っているか考えましょう。

体の関節の一部が固まっていると思ったら、そこを重点的にストレッチしてみたり、顔が固まっていると思ったら、顔のマッサージをしてみたりするのもいいでしょう。音が上がる時などに、あごに力が入ってあごが上がってしまう人が多いと思うのですが、それを防ぐために、あごの下に指を置いて、あごがもりっとしてしまわないかチェックしながら、低い音の声から高い音の声に移動する(グリスサンド)練習などをしてみたらどうでしょうか。

下の本には、さまざまなストレッチ方法が書いてあるので参考にしてみてください。

 


 

⑥体の力を抜いた部分を、どこで補い続ければ良いか意識

体の力を抜くことは大事なのですが、体全体から力があまりに抜けすぎてしまうと、ふぬけた声になってしまうので注意です。そこで、抜いた体の力を主に股関節のほんの少し上あたり(たんでん)から下の下半身で補うといいでしょう。また、強弱、出している音、拍の作られ方、歌の場面の雰囲気、それぞれにおいて下半身にどれくらいエネルギーを集中させたら良いか考えられるようになるととても良いでしょう。これらを意識してできるようになるため、ロングブレスやロングトーン、ドックブレスなどのボイストレーニングをして、体を自由自在に使いこなせるようにしましょう。これも、継続してやることが大事なので、お風呂上がりや、番組のCMの間などの隙間時間を利用して、続けてみてください。

 


 

次の歌い方レッスンは、子音の立て方です。