猿の気まぐれ日記

こんにちは!このブログでは、ボイトレの知識やカウンセリング の知識や知恵、本の感想などを気まぐれで綴ります。

歌い方レッスン8(音感トレーニング③)

 グリッサンドの練習

グリッサンドとは、一音一音を区切ることなく、隙間なく滑らせるように流れるように音の高さを上げ下げすること。<ウィキペディア参照>)

歌っている時には、音が上がっていく場合も、下がっていく場合も、常に上下両方に対して、意識を切らしてはいけません。上がっていく場合の時は、その重力に逆らった下のほうに意識を持ち続け、下がっていく場合の時は、上のほうに意識を持ち続ける必要があります。誰もが、歌っている途中に音域の変化によって出ている声の音色が変わってしまった経験はあると思います。それは、上下の意識が足りなかった、もしくはそれの耐えられる体が足りていなかったかによって、声の出す位置が変わってしまうことによっておきます。まだグリッサンドの感覚が足りていない人は、のどのあたりに意識を向けながら、完全五度の間隔(ドとソの間隔)の音を交互に出してみることなどをしたら、出し方が変わっていることが分かると思います。これがずっと変わらないような状態が理想です。そのための練習方法を、順を追って説明します。

<1>音が下がるとき、重力に逆らって上のほうに意識を持ち続ける。

最初にこれを体感するのに最適な幅は、長三度くらいの幅(ドとミの間隔)だと思います。適当な音域で、長三度の音の幅の組み合わせを探してください。ちょっとだけ声の出し方が変わってしまうくらいの音域がいいと思います。それで、まず始めになにも意識せずに下がってみてください。音色が少し変わっているのが分かると思います。次に、重力に逆らって上のほうに意識を保ったままやります。この時の感覚のイメージとしては、腰のあたりで鉄棒につかまっている状態から、ちょっと上に上がるような感覚です。

鉄棒 に対する画像結果

 要するに、股関節の少し上あたりの腹(たんでん)にエネルギーをこめて、重力に逆らう感覚です。実際は音が下がっているけれども、逆に上にのせるような感覚でもいいでしょう。長三度でこの感覚がつかめたら、その感覚を完全五度、完全八度(1オクターブ違い)、と広げていけるとよいでしょう。

<2>音が上がるときに、重力に逆らって下のほうに意識を持ち続ける。

これは、<1>ができればある程度感覚はつかめていると思うのですが、説明してみると、音が上がるときは、今度は下に引きずられるような感覚を持てるとよいでしょう。たんでんを使って、上に浮いてしまいそうな音を、下から引っ張って飛んでいかないようにするような感覚です(たんでんから凧糸で引っ張る感覚)

音の高低は、エレベーターのワイヤーみたいなもので、上に行く時も下のことを考え、下に行く時も上のことを考える必要があるということを覚えておいてください。

音がとれないのは、この重力に逆らう感覚が足りていないことが原因であることが多いです。音が下がるときに、あえて上に乗っける感覚でやってみたり、音色が下がり気味の時は、ピアノの上のオクターブで弾きながら音取りをすると、解決することが多いです。

次の歌い方レッスンは、音感トレーニング④です。